「あやかしって実は宇宙人じゃね? って思うんだけどさ」
駅から退魔協会に向かう専用バスの中で、龍真が言う。
「宇宙人って」
結珠は思わず笑った。
「だってさ、おかしくね? 進化もなにもかも違ってて変な力まであってさ」
「あやかしからしたら私たちだっておかしな力を使う存在よね?」
「そしたら俺たちも宇宙人じゃね?」
「昔、友達とそういう話をしたなあ。地球は宇宙に浮いてるから自分たちも宇宙人、みたいな」
「そういうんじゃなくてさあ、もっとロマンを持とうぜ」
結珠はまた笑った。
龍真はもう高校生なのに、たまに子どもみたいなことを言うからかわいい。
退魔協会に着いた結珠は、封印した退魔をATMのような端末で吸い出し、スマホの封印用ストレージを空にする。
作業を終えて振り返ると、龍真は退魔協会の人となにやら話し込んでいた。あの人はなにかの部長だった気がする、とその様子をながめた。
結珠に気が付くと、龍真はいったん結珠のところへ来る。
「悪い、話が長引きそうなんだ。先に帰ってもらっていい? 今度、新鮮堂のフルーツタルトおごるから」
「やった!」
ネットで話題のフルーツショップの限定タルトだ。食べたいなあ、とつぶやいたのを彼は覚えていてくれたのだ。
「気を付けて帰れよ。家に着いたら連絡して」
「わかった。じゃあね」
手を振って別れ、結珠は出口に向かう。

