未熟なスマホ退魔師は過保護な幼馴染に溺愛される

 今日は日曜日、結珠は中学校の休みの日だけ退魔の仕事をしている。退魔師は特別に中学生でも働いて良いことになっている。
「よくやった」
 龍真はにっこり笑って結珠の頭をがしがしと勢いよく撫でる。

「やめてよ、恥ずかしいし髪が乱れちゃう」
 結珠は頬を染めながら文句を言う。
「そういうとこ、かわいいなあ」
 龍真はそう言って結珠の頭をさらに撫でる。

「やめてってば!」
 だが、龍真はやめてくれない。
 小さいときからそうだった。
 幼馴染の三つ上で十七歳の龍真は結珠を妹のように溺愛していて過保護。ふたりとも退魔師となった今は必ず結珠の退魔についてきて、フォローしてくれる。

「あれくらいならひとりでもできたのに」
「駄目だ、俺が心配だから。絶対にひとりでは行くなよ」
「龍真様は心配性だにゃ」
 使い魔はビー玉のような目を彼に向けて言う。

「そりゃ、大事な大事な幼馴染だから。結珠になにかあったら結珠の両親に顔向けできないよ」
 彼の言葉に、結珠はちょっぴり胸が痛んだ。私を好きだからだったらいいのに、と思ってしまったからだ。

「今日は退魔協会であやかしを収めたら終わりだな。一緒に帰ろう」
「うん」
 龍真に手をつながれ、結珠はまた赤くなりながらうなずいた。