「よっ!久しぶり、瑠璃」
椅子に深く腰掛け、机に頬杖をついてぼんやりしていた私の視界に、影が差し込む。
聞き慣れた声がして、はっと顔を上げた。
『あ、蓮くん!!』
椅子を引く音とともに隣に座ってきたのは、幼馴染の蓮くん。
漆黒の瞳に綺麗に通った鼻筋、少し長めでサラサラの黒髪、そして頬には超異能力者を表す刻印。
蓮くんは影の能力だから、光を吸い込むような深い黒で風の形の刻印が押されていた。
『席、となり?』
「そ。凄くない?友情パワーだっ!」
友情パワー、、、あはは、絶妙にダサい。若干苦笑いしつつ、少し安心した。
よかった。女の子の友達はまだできてないけど、蓮くんがいるなら大丈夫そう!
一人じゃない、そう思えるだけで心が温かくなった。
蓮くんとは家が近くて、小さい頃からずっと一緒に遊んでいた。
夕方まで公園を走り回った日も、秘密基地を作った日も、お菓子パーティーをした日も、いつも隣にいた。
幼稚園、中学校も一緒でほんとにずっと一緒にいる人。
小さい時、ストーカーに追いかけられて連れてかれそうになった私を影の異能力で助けてくれたんだ!
かっこよかったなぁ、、、
そして蓮くんは私の治癒の能力を知っている、家族以外の唯一の人でもある。
ふふっやっぱり蓮くんがいるなら安心だなっ!
「どしたの、瑠璃。そんな見つめて。」
『あ、ごめん、、!』
つい蓮くんのこと見つめちゃってた、、!ってなんで蓮くんちょっと赤くなってるの!?
もしかして熱!?
『蓮くん、体調大丈夫?』
「え?なんで?」
『ちょっと赤くなってるから、、』
「はぁ、、相変わらず鈍感だね、、」
『え?』
「いや、なんでもない、体調は大丈夫。」
なんか小声で言ってたような気もするけど、、、まぁ体調大丈夫ならいっか!
「てか、どーしたの、そのマスク」
不思議そうにきょとんと首を傾げる蓮くんが言うのは、私の顔につけられた、顔の四分の三を隠すぐらい大きなマスクのことだろう。
周りをキョロキョロ見渡した後、蓮くんにだけ聞こえる音量で告げた。
『刻印バレたら大変なことになるから、、!』
「あ、そっか、、!」
理解したようにコクコクと頷く蓮くん。
「ホームルーム始めるぞー!席につけー!」
しばらく蓮くんと喋ってたらいつの間にか先生がきていた。
教卓を叩く音が教室に響き、空気が一気に引き締まる。
そして初めてのホームルームが始まった。


