朝露に濡れた花。




「最後の授業しよっか。西山くんだけの特別授業。」




「最後って何?やだよ、これからもいっぱい色んなこと教えてよ。」




「この世にはね ”絶対に叶わない恋” っていうのがあるんだ。」




「やめてよ!結衣!!これからも一緒に結衣の部屋で二人寄り添って話そうよ、、

 それで俺が大人になったら結婚して、幸せになろうよ、っ、、」




「うん、、私がもしあと10年遅く生まれてたら、キミが10年早く生まれてたら、、

 そんな未来もあったかもね。」




「ねぇやめて、、っ」




「知ってる?運命の神様ってね、残酷なんだよ。私達の思い通りにはいかないの。」




「っ、、、」





彼が息を呑む音が聞こえる。





「大学にはイイオンナが沢山いるから、そういう子と幸せになりな?」



「なんでっ、、なんで結衣じゃダメなの?」



「キミが、まだ子どもだから。」



「そんなことないっ、、!もう俺成人したし!立派な大人だよ!」





「西山くん、、大人はそんなに泣かないよ?」



涙でグチャグチャになった彼の顔を見ながら告げる。




涙に濡れた彼は、朝露に濡れた花のように見えた。



うん。キミにはまだ未来がいっぱいある。



だから、幸せになってね。




「ばいばい。」