「ねぇ海人。いつまでこんな生活続けるの?」
「ん?」
場所は私の家。時刻は22:00。
私は珍しく本気で彼と将来のことを話し合おうとしていた。
しかし、彼は私のキッチンで勝手に作ったカップラーメンを啜りながら、キョトンと子供っぽい目でこちらを見返してくる。
「どゆこと?」
「だから、いつまでこんなコソコソと付き合うの?
デート場所は私の家しかないし。もう飽きたよ。」
「俺は結衣と一緒にいられるなら何でも良いけど。
コソコソが嫌なら堂々とする?」
「はぁ、、」
こういう、あっけらかんとした性格が彼の良いところであり悪いところなのだろう。
だけど、本当に今回はそれで済ませられる問題ではない。
まずまず、堂々とできるわけがないのだ。
彼には ”家族” がいるのだから。
私が手を出していい存在ではないのだから。
「デートだって行けばいいじゃん。
海とか映画とか、遊園地もいいな。」
「もう、だから何でそんなに楽観的に考えられるの。誰かにバレたらどうすんの?」
「別に良いじゃん、バレたらそれで。」
「良いわけ無いでしょ、、」
「俺は好きだよ、結衣のこと。結衣は俺のこと好きでしょ?
良いじゃん、それだけで。幸せじゃん。」
突然の彼からの告白に不覚にもドキッとしてしまったが、今はそんな場合ではない。
胸の高鳴りを払拭するように横に首を振り、彼と再び向き合う。
「そんな簡単な話じゃないんだって、、」


