春の訪れに晴れ模様

……その後、お腹を1発ずつ殴るとヤンキーの男たちはお腹を抑えながら走り去っていった。

「ふぅ……危なかったぁ〜……。大丈夫でしたか！？」

「はい。お陰様で無事です。ありがとうございます。……それよりいきなりどうして？」

晴さんが心底不思議そうに私を見た。ギクリ、と体が強ばる。いくら助けたからと言って盗み聞きしてましたなんて……。でも言うしかないよね。

「えっと……実は盗み聞きしてたんです。ごめんなさい……」

……よく考えたら盗み聞きとか本当にダメじゃん。やっちゃった……。本当に申し訳ない。

「盗み聞きしちゃってごめんなさい……！別に何かやましい事があったとかじゃないんです！」

「え！？分かってますよ……？助けてくれたんですよね」

目の前の男の子はふわりと柔らかい綺麗な笑みを見せた。