春の訪れに晴れ模様

だけど彼らは私の言葉を無視して晴という男を殴ろうとした。絶対に手は出させない。

私は殴りかかってきたヤンキーを思い切り背負い投げた。地面に叩きつけたけど頭だけは打たないように。

晴さんは目を見開いて無言で立ち止まっている。

「逃げてください。こんな人に構わないでいいです。私に任せて」

無言の晴さんに私は無表情のまま伝える。だけど晴さんはそこを動こうとしなかった。

「おい……!宮野に何してんだお前!女でも容赦しないからな」

「……いいですよ。その代わり、私が勝ったら晴さんに手は出さないでくださいね」

私は殴りを入れる構えをした。

本当はこんな事したくないんだけどなぁ……とぼんやり考えながらも、殴りかかってきた人達に少しだけ抵抗した。