春の訪れに晴れ模様

ドクンっと晴先輩といる時とは違う鼓動が鳴る。

「まだ分からないです。でも……私にとって晴先輩は特別で……」

スカートを両手でぎゅっと掴んで足元を見る。なんて言われるのかな。千彩さん、何も言わない。

「……ちょっと一瞬だけ図書室出ない?」

「分かりました」

スマホだけポケットに入れて私たちは図書室を出る。図書室から少し離れた空き教室に入って、千彩さんと向かい合った。

千彩さんはいつもの笑顔じゃない。真剣で、でも少し顔が赤い。

「あのねぇ……晴のこと好きじゃないなら隣にいるの辞めてくれないかな?」

好きじゃないなら……。

「でもっ、私は……」

勢いよく言葉が出たはずだった。なのに、言葉が途中で詰まってしまう。