春の訪れに晴れ模様

あの時、晴先輩は何も悪くなかったんだ。なのに理不尽に暴力を振るわれそうになっていたなんて、あまりにも酷い。

私はぎゅっと手を握りしめた。なんでか分からないけど、力が入る。

「一発くらい殴られてもいっかって思ってたら……美春ちゃんが現れた。本当にヒーローみたいな綺麗な子だなって思ってたよ」

怒りの次はドキドキ。一気に心臓が跳ね上がる。

あぁ、もう私は単純すぎる。綺麗な子だって言われただけでこうなるなんて……!

少し頬が熱い。頬に温かさを感じながら隣にいる晴先輩の顔を見上げると、優しく微笑みを浮かべながら前を向いていた。