春の訪れに晴れ模様

「だから、晴。お前が悪いんだよ。1発殴られて当然だろ」

うぅ、なんで今日に限ってヤンキーがいるの……。

私、七瀬美春、中学二年生。

今だけ見た目が少し派手目なただの中学生。学校では目立たないように黒マスクとメガネをかけている。

私は重たい教科書が入ったカバンをギュッと握りしめた。やっと塾から解放されて気分がいいのに、いきなり喧嘩と遭遇なんて運が悪い。

ガシャンッ!

引き返そう、そう思ったところで路地裏から大きな音がなった。どうしても無視できなくて、私は音がした方へ近づいた。

あんな人に絡まれるって何したんだろう……。あれ、あの制服同じ学校じゃ……。

「晴ぇー!」

「っ……!危ない!!」