バイト先の黒宮さんがだいぶコワイ

「新人さん、これ5番テーブルに至急お願い!」

「え」


 どうしよう。まだなにも習ってないんだけど。


「5番テーブル! わかった?」

「わ、わかりましたっ」


 えっと、たしかこのお盆に乗せて運べって言ってたような……。

 お盆を手に持ち、ホールへと続く扉を開ける。

 ぱぁっと目の前が開けた瞬間、足が竦む。


 あたし、ここの店員だってお客さんに思われちゃうってことだよね?

 あたしがヘマしたら、お店の評判に関わるってことだよね?

 どうしよ、責任重大なんだけど。

 ……いやいや、ここでバイトするって決めたんでしょ?

 だったら覚悟決めなよ、あたし。


 よしっ! と気合を入れると、もう一度ホール全体を見回す。


 5番テーブルって……あっ、ちょうどいい。あの人に聞いてみよ!


 キッチンに入ろうとする他のバイトさんを呼び止める。

「あの、これ5番テーブルに運ぶようにって言われたんですけど」

「ああ、それ、今黒宮さんがクレーム対応してるテーブルに持ってって」

「わかりました。ありがとうございます!」