バイト先の黒宮さんがだいぶコワイ

 そして迎えたバイト初日。

 黒のパンツに白いシャツ。えんじ色のエプロンに同色の帽子。

 制服に着替えただけで、なんだかテンション上がっちゃう!

 着替えたら、とりあえず事務所に来るようにって言われたんだけど……。


「失礼しまーす」

 おそるおそる事務所の扉を開けると、店長ともう一人——昨日事務所に案内してくれた男の人がいた。

「今日から入ってもらうことになった白石陽菜さん。それで、こっちは黒宮一樹くんね。彼には白石さんの教育係をしてもらうことになったから」


 うわっ、この人が?

 どうせなら王子様がよかった……。

 ま、そんなワガママ言えるわけないけど。


「よろしくお願いします」

 軽く頭を下げてからチラッと黒宮さんの顔を見上げると、チッと舌打ちでも聞こえてきそうな不機嫌そうな顔をしていた。


 なんなの? すっごいヤな感じなんだけど!


「彼、一応うちのバイトの中ではピカイチだから。たしか黒宮くんは、白石さんの四つ上だったかな? くれぐれもよろしくね、黒宮くん。白石さん、バイト初めてらしいから、イジメ倒して辞めさせないでよ?」

「そんなことしませんよ」

 今度はうんざりした顔で大きなため息が聞こえてきそう。


 この人がここのバイトの中ではピカイチだなんて、絶対信じられない。

 あたしがあっという間にトップになっちゃうんじゃないの⁉


「精一杯がんばりますので、ご指導よろしくお願いします」

 ぎこちない笑みを貼りつかせてあいさつすると、「50点」と黒宮さんが言う。

「?」