バイト先の黒宮さんがだいぶコワイ

 あたしの王子様は、さっき裏口から入ったときに対応してくれたあの不愛想極まりない人じゃない。

 笑顔がステキで、物腰柔らかで……あんな上から目線で見下ろしてくるような人じゃ断じてない。

 背が高いからとか、そういう問題じゃない。

 王子様だってあの人と同じくらい背が高かったけど、まったく威圧感は感じなかったもん。


「今、正直人が足りてなくてね。彼目当てのお客さんがすごく増えちゃってさ」


 へぇ~。あの人、そんなに人気なんだ。

 あたしなら、あの人よりも王子様な彼を断然推すけど。

 いったいどんなすごい人なんだろう?


「もしよければ、明日からでもさっそくお願いしたいんだけど」

「え……それって、採用ってことですか?」

「うん。まあ、初めてだと慣れるまで大変だと思うけど、ちょっとずつ仕事覚えていって」

「わかりました! がんばります! よろしくお願いしますっ!」

「うん。でも、その元気はうちの店に合わないから、ちょっと抑えてね」

「す、すみません。気をつけます」