そしてさっそくお店に連絡すると、すぐに履歴書を持って来てほしいと言われ——。

「バイト初めてなんだ」

 あたしの履歴書に一通り目を通した店長さんが、顔を上げて言う。


 グレイッシュヘアをオールバックにした、このカフェにピッタリなオシャレな雰囲気の店長さんだ。


「はい。でも、大学生になったらカフェでバイトがしてみたいとずっと思っていまして。先日こちらのお店を利用させていただいたときに、『こんなお店で働きたかったんだ』って、ビビッ! ときたんです」


 木とレンガを基調とした内装はとっても落ち着いていて、思わず長居したくなっちゃうくらい居心地がいい。

 それに……あの店員さんの存在はやっぱり外せない。


「ふうん。ちなみに、『あの子』狙いってわけじゃないよね?」

 店長さんにじっと見つめられ、ドキリとする。


 あたしの考えてること、ダダ洩れてた⁉


「あ、あの子と言いますと?」

 思わず声が裏返りそうになりながら、必死にとぼけてみせる。

「ほら、さっき君をここに案内してくれた彼だよ」

「違います!」

 即答できっぱりと否定する。