バイト先の黒宮さんがだいぶコワイ

 あたし、こういうの意外と気になっちゃうんだよね。

 チラリと黒宮さんの様子を窺うと、苦しげに眉間にシワを寄せたまますーすーと寝息を立てている。


 ということで、勝手に片付け開始!


 床に散らばった洗濯物を洗濯機に放り込み、待っている間にキッチンの片付けに向かう。


「そうだ。店長からの差し入れ、冷蔵庫に入れといた方がいいよね」


 冷蔵庫を開けると——。

「なにこれ、かわいい!」

 なぜかホールのショートケーキが入っていた。


 たっぷりの生クリームとフルーツでキレイに飾り付けされている。


 これ、一人で食べるつもり?


 ……違う。


 冷蔵庫をパタンと閉め、キッチンを見回す。

 よく見ると、シンクにたまった洗い物は、ボールや泡立て器など、お菓子作りに使うものばかり。


 作ったんだ。黒宮さんが。

 昼間はカフェでバイトして、夜間は専門学校で勉強、家に帰ってからはお菓子作りって……こんなことしてるから倒れちゃうんだよ。


 ……こんなにがんばってるんだ。おじいさんの喫茶店を復活させるために。


 でも、自分の体もちゃんと大事にして。