バイト先の黒宮さんがだいぶコワイ

 ピーンポーン。

 黒宮さんの暮らすワンルームマンションのインターホンを鳴らす。


 ……出てこない。

 店長の連絡であたしが来るってわかってるから、居留守でも使われてる?

 そこまで嫌わなくてもよくない?

 頭来たんだけど。


「黒宮さーん、お届け物でーす! いるのわかってるんですよー。出てきてくださーい!!」


 せっかくここまで来たんだから、渡さなきゃ帰れないじゃない。


「誰だよ、うるせーなあ」

 気だるげな声とともに扉が開くと、ぼさぼさ髪の黒宮さんが姿を現した。

「げ」

 その一言を残して扉が閉まっていく。

「待ってください!」

 ガッと扉をつかんで、閉めようとするのを必死に阻止する。

「店長からの預かりもの、ちゃんと受け取ってください!」

「……店長から?」

 ぼそりとつぶやく黒宮さん。

「え、店長から連絡来てませんか?」

「悪い。寝てて気付かなかった」

「と、とにかく、これっ。店長からの差し入れです。あの……体の具合、どうですか?」

「ああ、疲れがたまっていただけだ。病院にも行ったし、薬もある。心配いらない」

 そう言い残すと、さっさと扉を閉めようとする黒宮さん。