黒百合の女帝

 そして彼女を追い、数分後。

辿り着いた先は、雑居ビルの七階だった。

キャバクラを通り、控え室まで案内される。

かなり古臭い場所だが、家具はどれも新品。

促されるまま、黒いレザーソファに腰を掛ける。

するとユリは「ちょっとここで待っててね」と残し、部屋を出ていった。

一人部屋に残され、する事なく暇を持て余す。

仕方なくスマホを取り出し、時間を潰す事に。


 そんな中、突然扉が大きく開かれた。

ユリかと期待するが、そこには見知らぬ男が。

 「お〜!君がラクアくん?うわスタイル良っ。顔ちっさ!」

そう叫び、俺の方へと駆け寄ってくる男。

それを避けようとするが、腕を掴まれてしまう。

 「ちょっと顔よく見えないんだけどさぁ、髪上げてもいい?お願いっ!君ねえ、逸材だと思うんだよ俺は」

距離感がバリきしょい。去ね。

という忌避感を表情に出すが、彼は更に近寄ってくる一方。

 「こっちのドレッサー座ってくんない?大丈夫!ユリが来るまでに終わらせるし!」

俺を化粧台まで引っ張りながら、そう言う男。

全力で反抗しても良いのだが……

彼は、ユリを知っているかのような発言をした。

ユリの友人だった場合、乱暴にはできない。