黒百合の女帝

 「なんだ、やっぱり嶺春が憎いのか」

 「当然。それで、あなたたちをなんて呼べば良いの?」

 「俺らはBLOOD KINGだ。覚えとけ」

ネーミングセンスが小学生並だった。

笑いを堪えつつ、手首を動かし続ける。

すると見事、結束バンドを外す事に成功した。

さて、逃げるタイミングなのだが……。

そう考えていた時、外から薄い板を叩く音が。

音の鳴った方向に、彼らが一斉に振り向く。

その隙を狙い、身体に巻き付くロープを外した。

適当に巻かれたそれは、簡単に解く事が出来た。

男たちは慌てふためき、こちらに気付かぬ様子。

それを良い事に、気配を消して背後に近づく。

そして扉が空くと同時に、右脚を素早く回した。

私の脛が男の膝窩に直撃し、男は崩れ落ちる。

おそらく総腓骨神経に衝撃が加わったのだろう。

叫び始めた男から顔を上げ、室内を見回す。