黒百合の女帝

 「どうだっていいだろんなの。なんだ、嶺春が憎くねえのか」

 「憎かったとして、協力するかどうかは作戦による。」

私の発言に、男が誇らしげに笑みを浮かべた。

どうやら、自分たちの計画に自信があるようだ。

 「俺らの作戦はシンプルだ。まずお前から嶺春の情報を全て引っこ抜く」

もうその言い方から協力の気配がしないのだが。

興味を失いながらも、一応耳は傾けておく。

 「んで、俺らが絶好の場所で総長様をぶちのめす訳だ」

 「総長をどう誘き寄せる気?」

 「そこで再び嶺姫の出番だ。よりを戻したいだか攫われただか言って誘き寄せればいい」

そんな役、何がなんでも買いたくない。

元よりそのつもりだったが、より明確になった。

こいつらと協力する価値もない。孔冥で十分だ。

が、興味を示した体で概要を聞き出そう。

 「私がユウヒを誘えるとでも?」

 「理由なんてなんだっていい。とにかく奴を一人きりにすればな」

 「そう……わかった。協力する。」

本心とは真逆の返事に、男は口角を上げた。