黒百合の女帝

 「やっぱり、同じシリーズだ!」

私の溌剌とした声に、ラクアが深く頷く。

そして、少しぎこちない笑みを浮かべてみせた。

 「ハッピーバレンタイン、ユリ」

 「いやっ、ホワイトデーで良いのに!」

 「国によっては男性から女性に贈り物をすることもある」

 「そうらしいけれども!安くつくチョコで良いんだよ?」

 「国によっては宝石や花を送る所もある」

 「ここはチョコを送り合う文化が主流の国だよ?」

いくら遠慮しても、ラクアは下がる気配がない。

金属製の星を眺めながら、仕方なく笑顔を作る。

ホワイトデーには別個でチョコを貰ってやろう。

 「ありがとう。大切にするね。」