黒百合の女帝

 などと思い悩んでいれば、顔が強張っていた。

それを自覚し、むりやりにも笑顔を作る。

プレゼントに顔をしかめるなんて、最低だから。

 「ありがとうって、みんなに伝えておいて。ヨウもありがとうね」

 「おい、まだ俺からのチョコ受け取ってねえだろ」

 「えっ、ごめん!てっきりこの中に入ってると……」

僕が謝ると、ぶんぶんと首を横に振るヨウ。

どうやら、気にするなという意味らしい。

口を閉じれば、彼は満面の笑みを見せた。

 「ほらよ、俺の手作りチョコだ」

 「ありがとう!でも僕、お返し持ってなくて……」

チョコを受け取りつつ、申し訳なくなる。

お返しがないことにだけじゃない。

彼からのチョコに書かれたメッセージ。

それは『これからもよろしくな』だった。

本当は、僕にはヨウと会う資格もない。

今すぐにでも距離を置くべきなのに。

彼の素直な想いに、思わず目が潤む。

それを隠すため、瞬きを繰り返した。

 「来月にはホワイトデーがあるんだぜ?その時でいいって」

 「うん。じゃあ、その時に」

 「ああ。今のうちに期待しといてやるよ」

どうしよう、来月の予定を取り付けちゃった。

麓冬のみんなに怒られちゃうかも。

と、ぐるぐる考えるが、頑張って笑顔を作る。