黒百合の女帝

百合side

 孔冥と同盟を結び、二週間程が経った土曜。

メールを確認すれば、『そろそろ着く』との事。

その言葉を信じ、再び駅の柱に凭れ掛かる。

それから数分も経たず、水色髪の少年が現れた。

 「ごめんっ!待たせたよね?」

急ぎ足で駆けて来た為か、息を弾ませるヤユ。

そんな彼に、わざと真顔で接してみた。

 「まあ、ある程度。」

 「ほんっとうにごめん!もう一生しない!」

ヤユは顔の前で掌を合わせ、一生懸命に謝った。

その様子に頰を緩ませ、短く笑い声を上げる。

 「別に遅刻じゃないし、気にしてないから。じゃあ、行こうか。」


 『今度どこかに遊びに行かない?』

そうヤユを誘ったのは、三日前のことだ。

目的としては、ヤユのメンタルケアである。

ヤユは見るからに心理的ストレスを抱えていた。

おおよそ、春架との抗争が原因だろう。

私は実際に抗争の現場を見ていない。

が、様子がおかしかったとの報告は聞いている。

それに加え、ヤユはあれ以降倉庫に来ていない。

これはいけない。そう思い立っての行動だった。