黒百合の女帝

 扉が閉まった瞬間、条件反射で姿勢を崩した。

机にへばりついたまま、ミヤビを見つめる。

するとミヤビは嫌そうに見下ろしてきた。

 「なんですか。不愉快です」

 「なあミヤビ、春架を潰したの、どこだと思う?」

そう問うと、ミヤビは首を傾げて見せた。

どうやら、彼にも見当がつかないらしい。

 「悔しいですが、なんとも。」

 「そうか……」

その返答に、俺も悔しさが込み上げてくる。

もうあいつらとは暫く遊べない。

見舞いに行くぐらいしか出来る事はない。

もしや、俺の所為なのか?

嶺春と親しいから、狙われてしまったのか?

 「申し訳ないですが、ここで泣かないで下さい。面倒なので。」

 「だってさあ、あいつらが怪我した姿なんて、見たくねえよ」

俺の弱音に、ミヤビが黙り込んだ。

そして俺の肩に手を置き、一言。

 「大丈夫ですよ。絶対に仇は打ちますから。」