黒百合の女帝

 「これで一件落着ですね」

彼の発言に、表面上の笑みを浮かべておく。

が、実際は一件落着でもなかった。

嶺春の中に、確かに裏切り者がいる。

天楼は反嶺派殲滅作戦を知っていたのだ。

その上で、獄覇を囮にした計画を作った。

しかし、いつもと違い今回は特定が難しい。

この特別作戦は、部下にも早い段階で伝えている。

二週間もあれば、作戦も立てられただろう。

200人の中から犯人はそう簡単に特定できない。

まあ、この問題はまだ言わない方が良いだろう。

ヨウは隠し事が苦手だから、部下に怪しまれてしまう。

 「それから、二つ目の報告なんだが……」

これに関しては、口を開くのが憂鬱だった。

すでに知っているミヤビは無言で俯いていた。

だがヨウは首を傾げ、続きを待っている。