黒百合の女帝

優日side

 「反嶺派消失事件の主犯は天楼だ」

月曜の午後九時、嶺春倉庫にて。

ヨウとミヤビを見ながら、そう宣言する。

すると早速ヨウが怒りを露わにした。

 「あいつらなら確かに説明がつきますね」

苦々しく話すヨウに、ミヤビが頷いて見せる。

 「動機は『嶺春に対抗する為の人材を失わぬ為』でしょう。」

 「獄覇を囮にしたのも、天楼なら筋が通る」

天楼と獄覇は仲の悪さで有名だ。

獄覇は救わず、ちゃっかり囮にも利用。

そんな行動も、天楼なら想像に難くなかった。

現在、新人が天楼を事情聴取している筈だ。

証拠は青緑のファイル。

そこには逃亡計画の全容が記されていた。

天楼上層部は容疑を否認している。

が、後にどうせ抗争になるのだ。

 「天楼との抗争も想定した方が良いな」

 「そういや、逃げた反嶺派はどうなったんですか?」

 「まだ見つかってない。ただ、ファイルには逃走先が記されていた。その場所を調査中だ」

俺の返答に、ヨウが納得したように頷く。

そして胸を撫で下ろし、穏やかに微笑んだ。