黒百合の女帝

 「わかった。今行く」

反射的に、躊躇もなくそう返したのは。

それが俺の、本心だったからだろうか。

後々後悔するのでは、と今更考える。

しかし、それも彼女の顔を見れば吹き飛んだ。

 「うん!じゃあ私、遅れて行くから!集合場所、送っとくね!」

そう叫ぶ彼女は、とても活力に満ちていた。

声も表情も、足取りまでもが晴れ晴れとしている。

そんな彼女の去り際は、やはり快活だった。

ユリが去ってから、数秒の間フリーズ。

かと思えば、その場にしゃがみ込んでしまう。

忘れるつもりで居たのに……やっぱり無理か。

項垂れた時、丁度震えだしたスマホを取り出す。

新着メッセージの文脈は、見た限り陽気だった。