黒百合の女帝

 「……帰ってくれ」

そう冷たく、言い放つ。

彼女の表情は、フードの所為で見れない。

ただ、それに対する返事は弱々しかった。

 「そっ……か。ごめんね、またあし___」

 「明日も来るな。暫く……一人が良い」

突き放してしまった。また、最初の頃のように。

膝に額を押し付け、背中を丸くする。

耳に入ってくるのは、遠のいていく足音のみ。

暫くして顔を上げれば、隣には誰も居なかった。

そこには、空のブランケットしかない。

ダウンを着て廊下を歩けば、怪しまれてしまう。

そんな彼女の為に用意した、白いブランケット。

それを手繰り寄せ、冷たい踊り場に寝転ぶ。

もう、泣き寝入りでもしてしまおう。