黒百合の女帝

 「ラクアっ!聞いて聞いて、昨日ね……ラクア?」

尾行から二日後、来たる月曜日。

昼休憩になって、ユリが屋上へとやって来た。

屋上、と言っても、屋上前の階段なのだが。

最近は風が強い為、屋上階段に居座っていた。

寒さに関しては、ダウンを着る必要はある。

そして今、俺はダウンのフードを被っていた。

立ち襟に首も埋め、彼女から顔を背ける。

そんな俺を不思議がったのか、立ち止まるユリ。

そしてゆっくりと迫って来て、隣に座ってくる。

 「どうしたの?具合悪い?」

心配そうな声音に、無言でかぶりを振る。

ここで口を開いたら、俺は理不尽なことを言ってしまう。

とにかく、今は一人にして欲しかった。