『嶺春(れいしゅん)

それが私の所属する暴走族。

しかし、私は戦闘員として籍を置いているのではない。

私の肩書きは姫。つまり非戦闘要員。

実の所、私にも総長並みの実力はあるのだが……

それは隠し、立場の低い姫で我慢しているのだ。


 話は変わり、姫は私以外にもう一人。

私は嶺姫(れいひめ)と、もう一人は春姫(はるひめ)と呼ばれている。

そしてその春姫というのが……

そこで号泣する少女、サクラだ。

栗色のミディアムボブに、幼い顔立ちと低身長。

常に羽織っている、萌え袖の桃色カーディガン。

そんな庇護欲と嗜虐心を誘う少女。

それがサクラという人物である。

では、なぜ彼女がこのような作戦に出たのか。

それは総長の彼女である、私が邪魔だったから。

彼女はどうやら、私の彼氏に恋とやらをしているらしい。

その根拠として、数日前に

『このままなら、ユリちゃんの彼氏は私がもらうから』

と宣言されたばかりだ。