黒百合の女帝

 彼らが最初にやって来たのは、カフェだった。

俺も遅れて入り、二人が見やすい位置に座る。

そしてチョコケーキを頼み、会話を盗み聞いた。

それから暫くして、彼らの元にパスタが到着。

俺の元にもケーキが置かれ、早速手を付ける。

あ、意外と美味いなこれ。

と呑気に食っていれば、目を見張る光景が。


 二人が……同じフォークを共有している!

衝撃のあまり、ケーキを噛まずに飲み込む。

漫画で読んだことがある。あれは親密な証だと。

しかし、それは創作世界だけでの話なのでは?

現実世界では、友人同士の戯れかもしれない。

漫画など信用するな。接吻とは別物だ。

などと整理している間に、彼らは席を立っていた。

急いで残りのケーキを食べ、自分も席を立つ。

まだ恋人同士である確証は得られていない。

つまり、尾行の継続が必要だ。