黒百合の女帝

 「じゃあ買うか。ここは俺が奢る」

 「えっ、割り勘で良いのに。私も払うよ?」

 「いや、元はと言えば、俺が誘ったんだ」

そう言いながら、会計まで商品を持って行く。

その時、同時にイヤリングコンバーターの分も払った。

支払いが済み、彼女に商品を渡す。

すると、彼女は慎重に袋を受け取った。

 「ありがとう……。大事にするね。」

そうはにかむ彼女は、心なしか嬉しそうに見えた。


 「今すぐ付けてみても良い?」

 「ああ。なら、俺も付けるか」

という訳で、二人で休める場所を探す。

ベンチが見つかったところで、並んで座った。

そして、早速左耳のピアスを付け替える。

新品のピアスは、黒いリングピアスだった。

 「どうだ?変じゃないか?」

 「うん、似合ってるよ。私も付けてみたけど、どう?」

そう言う彼女の右耳には、ピンク色のピアスが。

一つ違うのは、それが海月ではなく、リングピアスというところ。

まあ、彼女にはどちらも似合っているのだが。

 「似合ってるよ。じゃあ、次はどこに……」

 「いや、もう帰ろう。それから、その変な喋り方しなくて良いよ。」

 「えっ、なんでだ?あ、なんでですか?」

変な喋り方って……ユリさんの指示なのに。

と不満を抱くが、俺自身この喋り方は嫌いだ。

遠慮なく口調を戻せば、彼女が後ろを振り向く。

 「もう、ラクアは帰ったみたいだからね。」