黒百合の女帝

 久しぶりにちゃんと飯食ったな……

と満足していれば、ユリさんに声を掛けられる。

 「ねえ。最後の一口、いる?」

そう言い、首を傾げるユリさん。

返事をする前に、ラクアの方を一瞥……

うっわ、めっちゃ見てんじゃんアイツ。

断ったら不自然だし……しょうがない。

横髪を耳に掛け、差し出されたフォークに近づく。

そしてフォークを咥え、顔を離した。


 「どう?美味しい?」

 「あー、はい。美味しいで、美味い。うん」

正直、味覚に集中できない。

なぜなら、脳内がやばいで占拠されているから。

これは断じてキスではない。間接であろうと。

よって、俺は法に触れていない。大丈夫。

それから、心臓が煩いのは一種の病気だ。

多分、なんか重い病気なのだろう。

だから、そういうのではない。マジで。