黒百合の女帝

 「別に良いんじゃないでしょうか。」

それがミヤビの見解だった。

どこか残念に思いながら、控えめに頷く。

会議室に戻り、ミヤビに相談したのだが。

彼は表情を変えずに、ヤユの脱退を推した。

 「……なんで?」

 「彼の代わりは幾らでも居ます。」

 「いやそうじゃなくってさあ、感情論っていうか……俺もよくわかんないんだけどさぁ」

机に突っ伏しながら、弱音を吐く。

嗚咽の混じった声は、なんとも情けなかった。


 俺が唯一、悩みを打ち明けられる人物。

それが副総長、ミヤビだ。

彼は俺よりも遥かに賢いし、頼りになる。

だからこそ、彼の前では素を晒け出せる。

今までだって、何度も彼の前でだけ泣いてきた。

そして、その度に彼は慰めてくれる。

 「とにかく、泣き止んで下さい。まだヤユさんの脱退は未定ですから。」

 「そうだけど……無理に決まってんだろーがっ。ヤユが居なくなるんだぞ!?」

 「喚かないで下さい。癪に障ります。」

当然のように、鋭い言葉で刺しもしてくるが。