黒百合の女帝

 こうも言われると、応援してやりたくなる。

しかし、俺の軽率な判断で彼を傷つけたくない。

そんな思いで、ソファから立ち上がった。

 「お前は嶺春には欠かせない存在だ。俺一人で決められる問題じゃない。少し待ってくれないか」

 「わかりました。ただ、できれば明日まででお願いします」

 「ああ。もう行っていいぞ」

そう言うと彼は一礼し、部屋から退出した。

一人になった途端、腰が抜けたように座り込む。

まずい。涙が出そうだ。まだ倉庫の中なのに。

天井を見上げ、なんとか心を落ち着かせる。

大丈夫。ヤユが離れても、友情は変わらない。

現に、トシアキとはたまに連絡を取っている。

でも、ユリとそうはなれなかったし___

 「あぁあああ考えるな!よし、戻ろう。なんとかなる。絶対」

自身に言い聞かせながら、再び立ち上がる。

ミヤビなら、正解を与えてくれる筈だ。