黒百合の女帝

 でも、それは悪い事じゃない。

全部、俺が自体を収束しきれなかったせい。

 「……すまん」

そう呟けば、彼は顔の前で両手を振る。

 「総長は悪くないです!僕が気にしなきゃいい話なんで」

 「いや、気にするだろう。お前はユリと仲が良かったもんな」

そう言いながら、内心別ことを考えていた。

引き留めるか、それとも素直に送り出すか。

どっちが正解だ?前回は後者で失敗した。

でも、ヤユの意思は尊重したい。

ここで彼を引き止めて、彼の限界がきたら。

その場合、俺はどう責任を取るつもりなんだ。

いやしかし、あの時の過ちは犯したくない。


 ……ミヤビに相談しよう。

そうすれば、答えがわかる筈。

でもその前に、本人の意思だけは聞いておきたい。

 「なあ、ヤユ。お前は、本当に後悔しないのか?」

その声は、上手く落ち込みを隠せていない。

これでは、ヤユに気を遣わせてしまう。

そう理解しながらも、気丈に振る舞えなかった。

そんな俺とは対照的に、ヤユは落ち着いている。

 「後悔しません。丸二日考えた結論が、これなんです」

これだけは断言できる、というような口振りだ。

こんなにもはっきりと物を言うヤユは珍しい。

それだけ、彼は覚悟を持っているのだ。