黒百合の女帝

 予想外すぎる。なんで僕なんかを?

もしかして、みんな勘違いしているのかも。

などと考えたアホな僕は、余計なことを口走る。

 「でもっ!僕はユリちゃんのみならず、みなさんの敵なんですよ?」

 「別に、許してないけど。」

僕の言い分に対し、ぴしゃりと言い放つユリちゃん。

思い上がるな、というような口調だった。

そうだった、とその言葉で思い出す。


 僕は、ユリちゃんに許すとは言われてない。

サァーっと背筋が冷たくなるのを感じた。

が、彼女の言葉はさらに続いた。

 「ただ、協力はしてあげる。ヤユの実力は認めてるからね。」

そう言うと、ユリちゃんが立ち上がる。

何かと思えば、ホワイトボードを引きずってきた。

そして、ホワイトボードに文字を書き出す。

 「まず、ヤユにして欲しいことは二つ。」

真剣な顔で、彼女はボードを強く叩きつけた。

ボードには、『内密者の偵察・殲滅』とある。