黒百合の女帝

 「ていうか、聞きたいこと沢山あるんだけどっ」

 「え〜俺もある。その髪どこの店?指名は?」

 「えっとね、これは……じゃなくて!それはあとで教えるから!」

早速トシアキくんのマイペースが炸裂。

久しぶりの感覚に、置いていかれそうになる。

ほんと、なにからなにまで昔のままだなあ。

繁華街を進みながら、懐かしさに微笑む……

あっ、今はそうじゃなくって!

と見事にも振り回され、頭が混乱ぎみに。

疑問を整理していれば、彼の背中に衝突。

 「わっ、ごめん!」

と咄嗟に謝るが、彼はスマホから目を離さない。

 「あれ、ラクアくん来てるんだ。意外〜」

などと変なことを言い、ビルに入ってしまった。

慌てて彼を追う前に、ビルを見上げてみる。

ボロい雑居ビル。お店はすべて水商売。

不慣れな場所にビビりながら、中に入った。