黒百合の女帝

 ユリちゃんに、会いたい。

会って、謝って、真相をその口から聞きたい。

話次第では、彼女ともう一度……

 「ごちそうさま。ありがとう、サクラちゃん」

 「どういたしまして。もう行っちゃうの?」

 「うん……ごめんね。また今度」

ソファから立ち上がり、彼女に手を振る。

そして倉庫から駆け出し、繁華街の暗い場所。

スマホを取り出し、震える指で連絡先を漁る。

彼女の名前を見つけた途端、不安が高まる。

少し迷って、迷った末。

その連絡先に、電話を掛けた。

コールが鳴る間、心臓の音が嫌に響く。

もう0時は過ぎている。出なくて当然。

でも、もしかしたら……!

 『お掛けになった電話は、現在お出になることができません……』

無機質な女性の声に、思わず息が止まる。

まあ……そうだよね。うん、当然か。

留守番電話は残さず、そのまま電話は切った。