黒百合の女帝

 という訳で、早く行動に移ろう。

勢い良くその場を走り出し、標的を定める。

そして近くに居たのを殴れば、騒めきが止んだ。

かと思えば、何者かが出撃の命令を出した。

対話は時間の無駄。勝った方が正義。

そんな風潮が広まり、続々と人が暴れ出す。

敵はたったの十人。しかも一人は戦えない。

ともなれば、私たちが裁く側になるのは必然だろう。


 野蛮な連中が奮闘する中、周囲を一瞥する。

カケルは多くの恨みを買っているのだろうか。

カケルに寄ってくる輩を、カヤが一掃していた。

それにしても……以前の族と同等だな。

道中、前を塞ぐ奴は無差別に攻撃していく。

ある程度掃けたところで、レントと対面。

怯えた様子の彼に、容赦無く殴り掛かる___

 「こいつに手ェ出すんじゃねえっ!」

寸前、邪魔な肉壁が発生。

標的をチェンジし、総長の脇腹に蹴りを入れる。

が、逆に腕を掴まれてしまった。

馬鹿力でそれを振り解くと、眼前に拳が。

傷はつけたくないので、即座にその腕を掴む。

それをこちら側に引っ張り、体を反転。

相手の腰を掴み、その体を自分の腰に乗せる。

あとは斜め側に落とせば、大腰の成功。

足元に倒れた彼を、静かに見下す。