黒百合の女帝

 「ユリはレントをマーク。ラクアは積極的にユリの守備に当たれ」

そう命令され、無言で頷いてみせる。

ラクアはというと、ただ砂を弄るだけだった。

 「俺はカケルと雑魚を狩る。どうせ聖矢は弟を死守するだろうし、そっちは任せたぞ」

 「総長が(かしら)の首を取らなくて良いのか?」

顔を上げたラクアが、意味のない挑発をする。

しかし、カヤはそちらを一瞥もしなかった。

 「お前の方が俺よりも強い。それに、麓冬が勝てればいいんだ」

その回答に、ラクアは黙り込んだ。

大方、答える必要はないと考えたのだろう。

ここで一度時刻を確認し、服装をチェック。

フード、手袋、マスク、全て準備完了。

敵の行動も確認すれば、何やら異変が。

 「あっ、気付かれたみたいだよ」

 「なら、攻撃開始だ」