黒百合の女帝

 本当は、麓冬を裏切るつもりなんてなかった。

事のきっかけは、カケルに誘われたこと。

彼曰く、銀髪の超強い人を探しているらしい。

もし探し出せたら、弟子にして貰うんだとか。

その誘いに、僕はとある可能性を見出した。

もしかしたら僕も強くなれるかも、と。


 聖蓮の一員ではないくせに、倉庫に入り浸り。

お兄ちゃんの背中に隠れてばかりのボンクラ。

そんな格好悪い事は、そろそろ辞めたかった。

お兄ちゃんの手を煩わせたくない。

だからこそ、強くなりたい。

そんな願いを叶える為、カケルに付いて行った。

麓冬への加入を認められた時は、素直に嬉しかった。

嬉しかったのに……