黒百合の女帝

 そして電車に揺られ、数分後。

目的の廃校に辿り着き、壊れた窓から侵入。

廊下を歩く間は、足元だけに意識を集中させる。

割れた窓ガラスの破片で怪我をするかもだし。

それに幽霊とか、絶対見たくないし。

荒れた校内を駆け足で渡り、体育館に到着。

壊れたドアを開け、ステージの方まで駆け寄る。

 「お兄ちゃん!」

 「おーレント!遅かったな」

 「ごめんごめん。カケルと遊んでて」

兄の聖矢の元まで行き、笑って見せる。

するといつも通り、頭を優しく撫でてくれた。

周りを見渡せば、今居るのは八人くらい。


 みんなに挨拶をし、世間話で盛り上がる。

最初の頃こそは、大勢の怖い人たちに戸惑った。

しかし今となっては、大切な友達だ。

僕もだいぶ不良慣れしたなあ、と自らの成長に感心する。

暫くみんなと喋っていれば、突然手を叩く音が。

注目の合図に、皆の視線がステージ側へ集まる。