黒百合の女帝

 メモ帳を閉じ、息を吐く。

怪しさ満点だが、冷たく当たるのはよくない。

ここは一旦返し、他の幹部も交えて検討しよう。

 「うーんとね、今は副総長も居ないから、また後日連絡するよ」

 「ほんとうっすか!?じゃあ連絡先を交換しても……!?」

 「ハラから連絡がいくと思うから。ハラと交換してね」

 「あっ……りょうかいっした」

明らかに落ち込むカケルが、実に理解できない。

自分を叩きのめした相手に憧れる?

その時点で不気味だし、怪しい。

聖蓮出身と自ら名乗るのも、アホすぎる。

もしかしたらそれが計画の可能性も……


 まあ、ここは本物の総長に任せるか。

二人を帰らせた後、ユリさんに電話を掛ける。

数秒経ったところで、電話が繋がる。

 「もしもし、カヤです。ちょっとお話ししたいことが」

 『何かあったの?』

 「ええ。麓冬の加入希望者が二人訪問して来て」

そう言うと、途端に彼女は興味を示す。

 『へぇ。二人の様子は?』

 「片や恐れなし、片やおどおどって感じです。会話は録音したので送りますね」