黒百合の女帝

 「こっちも余裕……あ、お疲れ様。怪我はない?」

後ろから歩いて来たカヤに、そう声を掛ける。

すると彼は察したのか、演技に合わせてきた。

 「ああ、ユリも無事か?」

 「見ての通りの無傷。そっちの成果は?」

 「全滅だ。再起不能にさせた」

という納得の報告を聞き、軽く頷く。

 「なら良かった。じゃあカヤ、解散の合図をお願い。」

 「そうだな……では、各自解散」

そんな彼の号令で、此度の戦は幕を閉じる。

それにしても、皆の戦力を把握できて何よりだ。


 と浮かれていれば、スマホから着信音が。

何かと取り出せば、掛けて来たのは例の人物。

要件は予想できる。が、想像よりも早いな。

まあ、今回は無視で良いか。

着信を拒否し、ポケットにスマホを仕舞う。

 「今の誰から?」

 「秘密。じゃあ、私はここで。みんなお疲れ。」

ハラからの問いには答えず、その場を去る。

幹部が増える前に、準備をしておかなければ。