黒百合の女帝

 工場内には、予想通りの八人が揃っていた。

ラクアが扉を開けると、彼らは慌てて動き出す。

滑稽なその様子に、笑いを堪える。

ハラの前なら、大笑いしていたところだ。

奇襲に焦るのなら、鍵を掛ければ良いのに。

 「ラクア、私の名前は呼ばないでね。」

 「ああ」

ラクアがそう答えると、向こうが一斉に動く。

一直線に敵陣へ突入してくる八人組。

彼らに作戦があるようには見えなかった。

しかし武器はあるようで、二人が武器を所持。

金属バットと果物ナイフか。

まあ、ナイフに至っては脅し程度なのだろうが。


 などと考えていれば、ラクアが不良を蹴飛ばす。

蹴飛ばされた相手は、武器持ち金属バット野郎。

床に転がったバットに、数人が一斉に群がる。

しかし転がったそれは、私の足元にあった。

一早くそれを拾い上げ、近くの一人を殴る。

バットは敵の脇腹に勢い良く食い込んだ。

吹っ飛ばされた青髪の男が、無様に転がる。

肋骨を外したか……なら、追撃するか。

と試みるが、敵にバットを掴まれてしまった。