「ああ、穂鷹社長。来てくれてありがとう。ところで真宮くんは……」
「す……みません先生、真宮は、ちょっと来られない事情ができてしまいまして」
「そうか、残念だね。入院中は彼女にとても世話になったからね。是非ともこの場でお礼がしたかったのだが」
「それは、良かったです……。私も真宮を代理に立てた甲斐がありました」
衝立の隙間から覗くと、裕貴は苦虫を潰したような顔をしていた。
安浦先生に婚約者として紹介してしまった手前、本当のことは言えないだろう。
裕貴も、認めないだけで自分に非があることはわかっているのだ。
しばらくして、安浦先生のスピーチに入る。
司会者からマイクを受け取り、先生は壇上に立つ。
衝立の裏側にいる私の方を一瞥してから来賓の方を向き、先生は話し始めた。
「えー……。本日はお足元の悪い中、私めの出版記念パーティーにお集まりくださり、誠に御礼申し上げます」
「す……みません先生、真宮は、ちょっと来られない事情ができてしまいまして」
「そうか、残念だね。入院中は彼女にとても世話になったからね。是非ともこの場でお礼がしたかったのだが」
「それは、良かったです……。私も真宮を代理に立てた甲斐がありました」
衝立の隙間から覗くと、裕貴は苦虫を潰したような顔をしていた。
安浦先生に婚約者として紹介してしまった手前、本当のことは言えないだろう。
裕貴も、認めないだけで自分に非があることはわかっているのだ。
しばらくして、安浦先生のスピーチに入る。
司会者からマイクを受け取り、先生は壇上に立つ。
衝立の裏側にいる私の方を一瞥してから来賓の方を向き、先生は話し始めた。
「えー……。本日はお足元の悪い中、私めの出版記念パーティーにお集まりくださり、誠に御礼申し上げます」



