【17】
それから一ヶ月が経ち。
私は正式に、男子バスケ部に入部することになった。
「わっ、ゆいちゃん似合ってる!」
「えへへっ。ありがとうございます、美桜先輩!」
私が着てるのは、届いたばかりの男子バスケ部のジャージ。練習終わりの体育館で、美桜先輩に渡されたんだ。
みんなに囲まれて、やんやと騒いでいると、
「……なっ⁉︎こういう役目はふつう、里見か、綾人だろ!」
「あら、わたしはジャージを渡したもの。ゆいちゃん、とってもよろこんでくれて、かわいかったわぁ~」
「部長でしょ?いい加減、腹くくりなよ」
やり取りの途中で、自分の名前が聞こえた。
不思議に思ってふり返ると、
「……っ。その、だな……。高坂」
ごほん、とわざとらしくせきばらいした部長は、
「これは、男子バスケ部一同からだ」
覚悟を決めたように、小さな包みを差し出した。
「……私に?」
気づけば、私のまわりには男バスのメンバーが集まっていた。
わくわくしながら、あるいは不安混じりの顔で反応を見守られているのが分かる。
「開けても、いいですか?」
「もちろんだ」
部長の了解を得て、ドキドキしながら包みを開ける。
その中に入っていたのは、
「……ホイッスル⁉︎」
目にした瞬間、自分の目が輝いたのがわかった。
それは、私がいつも美桜先輩を見て、憧れていたもので。
「……っ。どうして……」
「みんながね。なれないマネージャー業をがんばってくれた、ゆいちゃんにお礼がしたいって。それなら、ホイッスルがいいんじゃないかって、話になったの」
「これ、私が今、一番欲しかったものです!」
ホイッスルを抱きしめて言うと、
「よかった。みんなで、あーでもないこーでもないって話し合ってね。ゆいちゃんの元気なイメージで選んだの」
黄色いホイッスルには、星型のマークがついている。みんなが思う私って、こんな感じなんだ……。
不思議な感慨を覚えていると、
「それじゃあ、ゆいちゃんの仮入部あらため、本入部を祝して!」
「えっ⁉︎」
「「「「男子バスケ部にようこそ、ゆいちゃん!/ゆい!/高坂!」」」」
ロ々に呼ばれる名前とともに、クラッカーがはじける。カラフルなテープや、紙吹雪が頭の上にふりそそぐ。
胸のうちからあふれた気持ちは、
「私……バスケ部に入部できて、みなさんに出会えてよかったです!」
花が咲くような満面の笑顔になった。
そして、
「ゆいちゃん、一緒に写真撮ろうぜ!」
「あっ、ゆい!おれらも!一年で撮ろうぜ!」
「こら、そんなにひっぱらないの!ゆいちゃんが困ってるでしょ」
両手を左右に引かれて、美桜先輩に見守られて。
「まったく……。ゆいちゃんが入部してから、さらに、にぎやかになったよね」
稲葉先輩が、あきれたみたいに笑う。
「そうだな。高坂のおかげで、あいつらも楽しそうだ」
というのは、部長のお言葉で。
「それじゃあ、写真撮るぞー!」
先輩の号令が、体育館に響き渡る。
整列した私たちは、カメラに向かってピースサインを作ったんだけど。
シャッターが切られる直前、
「高坂が、いてくれてよかった」
「え……?」
「マネージャーになってくれて、ありがとう」
部長のその笑顔に、私は……。
あ、あれ……⁉︎
ドキドキが鳴り止まない心臓に首をかしげていると、
「ハイ、チーズ!」
「えっ⁉︎」
ーー願わくば、写真に映る私の顔が、赤くなっていませんように!
それから一ヶ月が経ち。
私は正式に、男子バスケ部に入部することになった。
「わっ、ゆいちゃん似合ってる!」
「えへへっ。ありがとうございます、美桜先輩!」
私が着てるのは、届いたばかりの男子バスケ部のジャージ。練習終わりの体育館で、美桜先輩に渡されたんだ。
みんなに囲まれて、やんやと騒いでいると、
「……なっ⁉︎こういう役目はふつう、里見か、綾人だろ!」
「あら、わたしはジャージを渡したもの。ゆいちゃん、とってもよろこんでくれて、かわいかったわぁ~」
「部長でしょ?いい加減、腹くくりなよ」
やり取りの途中で、自分の名前が聞こえた。
不思議に思ってふり返ると、
「……っ。その、だな……。高坂」
ごほん、とわざとらしくせきばらいした部長は、
「これは、男子バスケ部一同からだ」
覚悟を決めたように、小さな包みを差し出した。
「……私に?」
気づけば、私のまわりには男バスのメンバーが集まっていた。
わくわくしながら、あるいは不安混じりの顔で反応を見守られているのが分かる。
「開けても、いいですか?」
「もちろんだ」
部長の了解を得て、ドキドキしながら包みを開ける。
その中に入っていたのは、
「……ホイッスル⁉︎」
目にした瞬間、自分の目が輝いたのがわかった。
それは、私がいつも美桜先輩を見て、憧れていたもので。
「……っ。どうして……」
「みんながね。なれないマネージャー業をがんばってくれた、ゆいちゃんにお礼がしたいって。それなら、ホイッスルがいいんじゃないかって、話になったの」
「これ、私が今、一番欲しかったものです!」
ホイッスルを抱きしめて言うと、
「よかった。みんなで、あーでもないこーでもないって話し合ってね。ゆいちゃんの元気なイメージで選んだの」
黄色いホイッスルには、星型のマークがついている。みんなが思う私って、こんな感じなんだ……。
不思議な感慨を覚えていると、
「それじゃあ、ゆいちゃんの仮入部あらため、本入部を祝して!」
「えっ⁉︎」
「「「「男子バスケ部にようこそ、ゆいちゃん!/ゆい!/高坂!」」」」
ロ々に呼ばれる名前とともに、クラッカーがはじける。カラフルなテープや、紙吹雪が頭の上にふりそそぐ。
胸のうちからあふれた気持ちは、
「私……バスケ部に入部できて、みなさんに出会えてよかったです!」
花が咲くような満面の笑顔になった。
そして、
「ゆいちゃん、一緒に写真撮ろうぜ!」
「あっ、ゆい!おれらも!一年で撮ろうぜ!」
「こら、そんなにひっぱらないの!ゆいちゃんが困ってるでしょ」
両手を左右に引かれて、美桜先輩に見守られて。
「まったく……。ゆいちゃんが入部してから、さらに、にぎやかになったよね」
稲葉先輩が、あきれたみたいに笑う。
「そうだな。高坂のおかげで、あいつらも楽しそうだ」
というのは、部長のお言葉で。
「それじゃあ、写真撮るぞー!」
先輩の号令が、体育館に響き渡る。
整列した私たちは、カメラに向かってピースサインを作ったんだけど。
シャッターが切られる直前、
「高坂が、いてくれてよかった」
「え……?」
「マネージャーになってくれて、ありがとう」
部長のその笑顔に、私は……。
あ、あれ……⁉︎
ドキドキが鳴り止まない心臓に首をかしげていると、
「ハイ、チーズ!」
「えっ⁉︎」
ーー願わくば、写真に映る私の顔が、赤くなっていませんように!

