春ヶ丘中学校男子バスケ部〜マネージャーになんてなりません⁉︎〜


「い、よっしゃああああー!」
歓声が上がり、それぞれが興奮しながら、ガッツポーズやハイタッチをする。
「よくやった、黒川ぁあああー!」
「お前が、この試合のMVPだ!」
見事勝利を収めた春中の部員は、全員で黒川に駆け寄る。部員たちにもみくちゃにされた黒川は、うっとうしそうにしながらも、笑っている。
その光景が、かつて見た、春中のバスケ部のメンバーと重なる。
あの時は、私もあんなチームになれたらよかったのにって。戻らない時間に涙をこぼしたけど、
「ほら、早く!ゆいも来いよ!」
「お前は試合に出てないけど、間違いなくこの勝利に貢献してくれただろ!」
ガクと田代くん、ほかのみんなも、笑顔で私に手招きしたり、手を引いてくれる。
「わ、たし……」
みんなの役に、立てたのかな?
鼻の奥がつんとして、あわてて上を向こうとしたけど、遅かった。
ぽろっと涙がこぼれて、
「うおっ⁉︎どうした、ゆい⁉︎」
「え、へへ……。ごめん、うれし涙。みんなのこと見てたら、なんかぐっときて……」
これは練習試合で、大会の成績には何の関係もない。
だけど、試合に勝ってチームのみんながよろこんでいると、自分のことみたいにうれしい。
なにより、自分は絶対に入れないと思っていた輪の中に、当たり前みたいにみんなが入れてくれたことが、私は………。
また泣きそうになったけど、涙をこらえて、笑顔を浮かべる。
だって、せっかくの初勝利の日に涙なんて似合わないから。