【11】
あの日から三日が経っても、状況は変わらなかった。
むしろ、黒川とほかの一年生との関係は、日ごとに悪化しているように思える。
広がる亀裂の塞ぎ方が分からないまま、過ぎていく時間にやきもきしているだけの自分に嫌気がさす。
放課後の体育館には、ボールをつく音がこだましていた。
すでに今日の練習は終わり、選手たちはそれぞれ自主練に励んでいる。
「田代、次こっち試してみようぜ!」
「おう!」
和気あいあいと練習する田代くんたちとは対照的に。
黒川は、一心不乱にシュートを打ち続けている。
私はそんな黒川に時折視線を向け、ボールを拾い集める作業にいそしんでいた。
今日の部活中も、黒川とほかの一年生は、ギスギスした険悪な雰囲気だった。
黒川は見るからにいらだっていて、シュートの決定率も下がっている。
「やっぱ、輪を乱すやつがいないとスムーズに練習が進むよな」
当てつけのように言う田代くんに。
ガンッ!黒川が放ったシュートが、リングにはじかれる。
にらみ合う黒川と田代くんは、今にもお互いに飛びかかりそうだ。
一触即発の空気にハラハラしていると、
「お前ら、そろそろ時間だぞ。早く帰れ」
扉の前で一喝したのは、部長だった。
時計を見れば、校門が閉まるギリギリの時間だ。
やべっ!とみんな、一目散に帰り支度をはじめる。
ピリついた空気が払われて、ほっとしたものの。
そうだ、私も急がないと!
あわててモップがけに参加しようとすると、
「待て、高坂。今日は一人で帰るのか?」
「え?……はい」
近所に住むガクは、おばあちゃんの家に用事があると先に帰ってしまった。クラスの友達はこの時間まで残ってないし、美桜先輩とも逆方向だし……。そうなるかな?
だけど、どうして部長がそんなことを?
私が首をかしげていると、
「黒川」
部長は、ボールを片付けていた黒川に声をかける。
えっ⁉︎まさか、まさか……!
次の言葉を察した瞬間、ぶわっと、一気に冷や汗が吹き出す。
だけど部長は、私が止める間もなく、
「同じ方向だっただろ。高坂を送ってやれ」
あの日から三日が経っても、状況は変わらなかった。
むしろ、黒川とほかの一年生との関係は、日ごとに悪化しているように思える。
広がる亀裂の塞ぎ方が分からないまま、過ぎていく時間にやきもきしているだけの自分に嫌気がさす。
放課後の体育館には、ボールをつく音がこだましていた。
すでに今日の練習は終わり、選手たちはそれぞれ自主練に励んでいる。
「田代、次こっち試してみようぜ!」
「おう!」
和気あいあいと練習する田代くんたちとは対照的に。
黒川は、一心不乱にシュートを打ち続けている。
私はそんな黒川に時折視線を向け、ボールを拾い集める作業にいそしんでいた。
今日の部活中も、黒川とほかの一年生は、ギスギスした険悪な雰囲気だった。
黒川は見るからにいらだっていて、シュートの決定率も下がっている。
「やっぱ、輪を乱すやつがいないとスムーズに練習が進むよな」
当てつけのように言う田代くんに。
ガンッ!黒川が放ったシュートが、リングにはじかれる。
にらみ合う黒川と田代くんは、今にもお互いに飛びかかりそうだ。
一触即発の空気にハラハラしていると、
「お前ら、そろそろ時間だぞ。早く帰れ」
扉の前で一喝したのは、部長だった。
時計を見れば、校門が閉まるギリギリの時間だ。
やべっ!とみんな、一目散に帰り支度をはじめる。
ピリついた空気が払われて、ほっとしたものの。
そうだ、私も急がないと!
あわててモップがけに参加しようとすると、
「待て、高坂。今日は一人で帰るのか?」
「え?……はい」
近所に住むガクは、おばあちゃんの家に用事があると先に帰ってしまった。クラスの友達はこの時間まで残ってないし、美桜先輩とも逆方向だし……。そうなるかな?
だけど、どうして部長がそんなことを?
私が首をかしげていると、
「黒川」
部長は、ボールを片付けていた黒川に声をかける。
えっ⁉︎まさか、まさか……!
次の言葉を察した瞬間、ぶわっと、一気に冷や汗が吹き出す。
だけど部長は、私が止める間もなく、
「同じ方向だっただろ。高坂を送ってやれ」

