ハッと目を覚ますと私はお化け屋敷のトイレの中にいた。
ツンとした異臭が鼻を刺激する。

恐る恐る周りを見回してみると、そこが反転していない元のお化け屋敷の中だということがわかって胸をなでおろした。

鏡の中から脱出できたんだ。
目の前のある鏡を見つめてそう思う。
「みんなは?」
ハッとして友達の姿を探すけれど誰もいない。

「嘘でしょ。鏡の中でミッションをクリアしたら全員が助かるんでしょう?」
誰もいないトイレの中で呟くが、返事はない。
もしかして友達を助けられるなんて嘘だったんだろうか。

そんな不安が胸に膨らんできたときだった。
突然鏡が光はじめたかと思うと、中に貴也たちの姿が見えた。
みんな一斉にこちらへ向かって飛んでくる。